本書に登場する人々は「社会起業家になろう」と思ってなった人たちではない。
社会のある部分に問題を感じ、それを解決しようと思い続けて、その動きが小さな運動から一つの事業へと進化を遂げ、いつのまにか「社会起業家」と呼ばれていた人々、というだけである。
だから本書のタイトルは誤解を招きやすいもので、なんとなく「社会起業家になりたい」という人が本書を読んでも成功させるのは難しいだろう。
何よりも本書の登場人物を動かしているような強い使命感・問題意識がないのであれば、険しい道のりの社会起業を持続させることは難しい。当然ながら「食っていけない」時期を相当覚悟しなければならない。
安易な社会起業家ブームには疑問があるが、本書やその他のメディアを通じて、成功までの道のりの険しさや、途中で投げ出さない信念のありかを読者が感じることができれば、社会起業家へのより深い尊敬も生まれ、事業化への一助となるのだろう。