本書は、健康、環境、貧困、教育といった社会的コーズ(主張)に焦点をあて、CSR活動の特徴や、ケネス・コール、HP、ティンバーランドなどアメリカ企業の数々の事例、そして障害までをマーケティングの視点でとても具体的に論じている。
CSRと一言でいっても、実は6つの戦略に分類しているのが本書の最大の特徴で、最初は区別しづらいものの、各々の目的や役割についてよく分析されている。
1.コーズプロモーション
2.コーズ・リレーテッドマーケティング
3.ソーシャル・マーケティング
4.コーポレート・フィランソロピー
5.地域ボランティア
6.社会的責任に基づく事業の実践
正直、ここまで体系的に分類していることには驚いたが、そもそもこれを日本で実践しようとすると、なかなか難しいのではと思うし、アメリカほど根付いていない理由を考えると、1つ目に、社会的コーズに関する企業サイドの意識の低さ、2つ目に、コーズの重要性を発信するNPOの未熟さ、そして3つ目に寄付が根付かない文化の違いということが挙げられると思う。
とはいえ、この本はそんな未成熟な日本企業やNPOにとって、新たな活路を見出す良いきっかけになり得るし、これを機に、「顧客はどんなコーズに関心があるのか」「特定された社会的課題に関連があるのはどういった企業か」など具体的にリストアップするアクションを起こすことはできるはず。
そういう意味でも、マーケッターやCSR担当者、NPO経営者にはぜひお勧めしたいが、一番読むべきなのは、企業にとっての社会的責任やコーズとは何かを考え会社のポジショニングを考えなければならない経営者自身なのでは?と思う。
もはや、コーズを考えない企業に永続的発展はありえないと数々の事例から考えさせられた。