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社会的排除―参加の欠如・不確かな帰属 (有斐閣Insight)
 
 

社会的排除―参加の欠如・不確かな帰属 (有斐閣Insight) [単行本]

岩田 正美
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,575 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

ホームレスやネットカフェ難民,長期失業の若者や日雇い派遣など,福祉国家の制度からこぼれ落ち,呻吟する人々。彼らはなぜ,どのようにその拠り所を失ったのか。貧困研究の第一人者が「社会的排除」概念の意味と役割をクリアに示し,日本のリアリティに鋭く迫る。

内容(「BOOK」データベースより)

ホームレスやワーキングプア、ネットカフェ難民、日雇い派遣、孤独死や自殺など、福祉国家の制度からこぼれ落ち、呻吟する人々。彼らはなぜ、どのようにその拠り所を失ったのか。グローバリゼーションとポスト工業社会において、深まるばかりの社会分裂を、どのように分析するか。曖昧に使われてきた「社会的排除」概念を、社会参加と帰属に焦点を当てて、理論的にクリアに示し、データとフィールドワークを駆使して、日本の今のリアリティに迫る。

登録情報

  • 単行本: 206ページ
  • 出版社: 有斐閣 (2008/12/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4641178038
  • ISBN-13: 978-4641178038
  • 発売日: 2008/12/18
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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28 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
「社会的包摂」(social inclusion)の対概念であるいわゆる「社会的排除」(social exclusion)概念に関する概説書。と云えば何のことかという気もするが、今日の貧困問題をより広い社会的歴史的文脈の中で分析した一書と云えば、分かりやすいかも知れない。

私などはこれまで今日の日本における「貧困」というと、いわゆるホームレスやネットカフェ難民、派遣労働者といった方々のようにそもそも定職を持てないあるいは適切な賃金を受け取ることのできる職を得られないといった「雇用」の観点からのみ物事を見がちであったが、本書を読んでそれはそう単純な問題ではないこと、即ち、貧困をはじめとする「社会的排除」は雇用のみならず家庭や教育、福祉、地域社会、医療体制等々のより広範な事象が複雑に絡まり合った社会的歴史的な「複合問題」であることに気付かされた。(だからこそ問題の根は深く、勿論雇用増のための経済的な諸施策も重要ではあるにしても、その本質的な解決は単に雇用を増やせばといった呈のものではないことがよく理解できる。)

その意味で、今日の様々な社会問題を複眼的に理解するための鍵概念として、「社会的排除」あるいは著者のいう「社会からの引きはがし」と「中途半端な社会への接合」、更にはこれらを主に住環境との対応関係で再整理した「転落型」、「労働住宅型」及び「長期排除型」といった概念整理は、「大づかみ」な括りとして近時ますます有効性を増してきているように思えてならない。
このレビューは参考になりましたか?
55 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 黒潮丸 VINE™ メンバー
形式:単行本
「社会的排除」を読んだ。
年寄りがこんな本を読んでどうということは何もないが、少しは利口になったかとは思う。

もとより社会的な成語だから、それなりの歴史や地域性を抱え、扱う人によって理解も用法も異なる。
しかし著者は、貧困、差別、失業、ホームレス、ネットカフェ難民、シングルマザー、障害者、多重債務者、外国人労働者など、現代社会の負の側面を考えるに際し、社会的排除(Social Exclusion)という用語の使用がかなり有効であると言っている。

社会的排除は、社会的包摂(Social Inclusion)と対語になっているようだが、包摂の方はまだまだ弱いようだ。
特に現在の日本では社会的包摂はまるでなっていない。
例えば雇用保険は生活保護とまったくリンクしていない。社会全体として雇用の量が労働の量に対して不足しているのいうのにだ。
シングルマザーは子供の養育が生活の主目的なのに、養育をさておいて働かなければ託児所も利用出来ない。絶対的矛盾である。

現代日本のセーフテイネットは次のようなものであろうか。
厚生年金。国民年金。健康保険。雇用保険。生活保護。障害者支援。育児支援など。
社会的排除を受けてきた人たちはこの殆どの網から漏れる。安定した雇用を長く受け、保険金を納付しなければセーフテイネットの対象にならない。それが正しいとされてきた。
彼らは納付を続けられなかった。
生活保護だけは例外のように見えるが、実際的には65歳以下は対象とみなされず、保護が必要な人への給付率は20%とOECD諸国の中で最低という。

老齢年金を受給中の年寄りばかりが、のうのうと安逸に暮らしていていいものだろうか?
それも子や孫の世代への借金を増やしながら。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モチヅキ VINE™ メンバー
形式:単行本
 貧困を実証的に研究する社会福祉学博士が2008年に刊行した本。現代の社会参加とは、世界規模で広がる開放的関係と、さまざまなレベルの相対的に閉鎖的な関係とが織りなす複雑な関係の網の目の中で、その人らしく生きていくために必要な関係を選び取って、その網の目の中に入り込み、またそれを変更していく行為である。しかしその際、あるメンバーシップの証明や居場所の確認が、評価のランク付けを伴いながら、一定の網の目の中に入る許可の条件になっていることが少なくない。つまり自由と選択は、存在証明の上に立って初めて認められているのであり、そうした主要な社会関係から特定の人々を閉め出す構造を重視し、そこから現代の社会問題を説明し、これを阻止して社会的包摂を実現しようとする政策とセットになっている用語が、社会的排除である。それは資源のみならず関係や参加・パワーの欠如を問題とすること、複合的な不利に起因するものであること、プロセスを重視する動的な概念であることという特徴を持つが、そのぶん定義が曖昧になる。そこで著者はとくに、グローバル化やポスト工業化を背景とした、福祉国家の諸制度からの、あるいはそれに起因する排除と、空間的排除に注目し、路上ホームレスおよびそれと連続的なネットカフェ難民を主たる事例として、この概念の有効性を説明する。つまり、ホームレス化の経路には引きはがしと社会への中途半端な接合があり、ジェントリフィケーションによる周縁部の縮小や福祉制度による自立支援の失敗が、近年これらの問題を顕在化させ、社会的亀裂を深めている。これらの排除への対策として、社会的包摂が提起されるが、積極的労働参加を強調する議論には著者は批判的であり、アセットベース福祉をも視野に入れながら、むしろ住居の保障と市民としての権利義務の回復に基礎を置くべきだとする。
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