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ようやく収束してきた感はあるがこの大論争はすでに30年が経過している.本書はいろいろな視点からこの論争の中身をとらえて解説しており,それぞれなかなか興味深い.
2巻では論争の背後にはナチュラリストとしてのウィルソン,ドーキンスの見方(目の前にある事実から真実を知りたいという素直な気持ち)と分子生物学者としてのルウォンティンのものの見方が異なることが明らかになる.そしてこれが「還元主義」ということがなぜ批判として成立すると批判者が信じるのかの鍵となる.
また科学者は実は自分の道徳性をディスプレーするために論争している側面があると語られ,そうしてグールドとドーキンスはどちらも相手の主張に反対することがお互いに自分の主張を続けるという点でメリットがあったのではないかと指摘される.
最後にウィルソンの近著「コンシリエンス」(邦題「知の挑戦」)に触れ,社会生物学派の中でも科学的真理と道徳的真理についてはそれが全く別のものとするドーキンスの立場と科学的真理は道徳を説明でき,よりよい人類社会の構築に近づけるとするウィルソンの立場に分かれることが説明される.
さまざまな視点からこの論争全体を眺められ,またそれぞれの登場人物の人となりにも触れられており充実した読後感を味わえる.
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