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社会契約論 (岩波文庫)
 
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社会契約論 (岩波文庫) [文庫]

J.J. ルソー , 桑原 武夫 , 前川 貞次郎
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

これはもっとも徹底的な人民主権論を説いた書物である。国家は個々人が互いに結合して、自由と平等を最大限に確保するために契約することによって成立する。ルソー(1712‐78)はこの立場から既成の国家観をくつがえし、革命的な民主主義の思想を提示した。フランス革命の導火線となった近代デモクラシーの先駆的宣言の書。

登録情報

  • 文庫: 246ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1954/12/25)
  • ISBN-10: 4003362330
  • ISBN-13: 978-4003362334
  • 発売日: 1954/12/25
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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60 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 ルソーは、人権、平等という意識を向上させたという正の面と、フランス革命の恐怖政治を生み出したという負の面を併せ持ったアンビバレントな存在です。ただし、リベラル、保守と立場によって、賛成、反対と分かれることはあっても、とりあえず必読の書であることは間違いないでしょう。

 ちなみに、この本の訳はすばらしいです。口語調の極めて自然な日本語で書かれているので、翻訳を読んでいるという気がしません。ルソーが日本語で語りかけて来るみたいです。(ルソーに関する事前知識が全くない私でも、すっと入っていけました。)

 それから、巻末の解説も充実しています。『人間不平等起源論』、『エミール』などのほかのルソーの著作と本書の関係、ルソーの思想遍歴、他の社会契約論の思想家との比較、本書の各章の説明と、必要なことはすべて網羅されている感じです。

 下手なルソーの入門書を読むよりも、まずこの本の解説を読んで、それから本文を読んだ方が、ルソーを理解する早道のような気がします。

 値段も安いし、これはかなりおすすめですね。(ルソーの本なんか読んでいたら、かっこいいし。)

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30 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
冷静に。 2005/12/27
By world3
本書で一般意思の無謬性を説いたことをもって、ルソーこそ全体主義の源流だと評する人もいる。しかし、ルソーは一般意思は公共の利害に関ることにしか及ばないと明言しており、人間の生活領域をパブリックなものとプライベートなものに分割し、国家の介入を前者に限定するというリベラリズムの基本理念は本書でも保たれている。

また、本書で民主政は神々には適しても人間には適さないと説いたことをもって、ルソーにアンチ民主主義のレッテルを貼る人もいる。しかし、ルソーが本書で言う民主政とは直接民主制のことであって、今日で言うところの議会制民主主義は「選挙制貴族政」と分類されているのである。

全体に、叙述がロジックよりもレトリックに流れているのは否定できず、そのことが様々な誤解を生む原因にもなっているのだと思う。書かれていることを冷静に読み取るようにしたい。

なお、本書でルソーは、主権の担い手である団体としての国民を「主権者」と呼び、統治の客体となる個々の国民を「臣民」と呼んで区別したが、この区別は今日でも有用だ。自分は国民である以上主権者で、従って国家に対して無限に要求できると本気で信じている人がこの国には少なからずいるからだ。

翻訳は、中公クラシック版が比較的読みやすい。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「生まれつき自由で、そして鉄鎖に繋がれた」ものとしての人間存在が、よりまともな
「鉄鎖」へと自らを引き渡すことを志向した書。本人が言及したのかどうかはさておくに
しても、「自然へ還れ」との命題が決して果たされぬ彼岸であることを誰よりもよく知る
ジャン‐ジャックが、契約をキーとして、耐えうる絆としての社会制度の構築を試みる。

 他のレビューが触れているように、幸か不幸か、このテキストの持つ全体主義への危うさは
疑う余地のないところ。しかし、いみじくもカール・シュミットあたりが正確に見破っている
ように、それはルソー固有の問題でもなんでもなく、「近代」における国家論の共通前提で
あって、例えば「憲法」などという概念はそれ抜きにしては決して誕生し得なかっただろう、
いわば劇薬の副作用とでも呼ぶべき代物。

 むしろ、現在進行形の問題は、そうした近代国家論のデメリットが既に見えているにも
かかわらず、それに代わる国家論をまるで構築しきれずにいるところ。そうしたパラダイムの
危機を理解し思考を進めていく上でも、必読の一冊と呼べるのではなかろうか。
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