星5つでは足りません。
140頁弱の小論でありながら、内容がミッチリ詰まった濃い一冊です。近年の社会を思考するにあたっ
て、確実に踏まえるべき内容のエッセンスが簡潔に、しかしポイントを逸することなく凝縮されています。
実に、濃密で簡潔でチャレンジングでエキサイティングな一冊です。超お薦め!!
本論中で、若干前提となる知識が要求されるかなあと思える部分には、ちゃんとコラムで解説を付して
います。
字数制限から、個人的にお薦めと思えるポイントを以下、箇条書きで
(1)
伝統社会学が「社会」をどのように把握し、それと近年の社会学がどう連続しどう異なるかを簡潔に
まとめているところ
(2)
伝統社会学が「個人」をどのように把握し、それと近年の社会学がどう連続しどう異なるかを簡潔に
まとめているところ
(3)
関連して、近年、とりわけ1970年代以降の「近代」社会の大規模な(潜在的な)変動を、多くの
論者がどのように把握してきたかを簡便に整理し、現在の私たちが生きる社会的環境の特質を、
要領よくまとめているところ
(4)
それらの一切を、ルーマンの議論からどのように把握できるかについて踏み込んだ考察が加えられて
いるところ
(5)
そのうえで、現代の私たちが直面する社会の問題をどう思考していくのかという点について、独自の
指針を提供できているところ
昨今の社会理論の簡便な整理としても、現代の社会状況の簡潔な把握としても、したがって、
社会理論の副読本としても、現代社会論の独特な立論としても、非常に読み応えのある一冊です。
ものすごくお薦め!