この本は読んで題名のごとく広報の基本が明快に述べられている。広報の専門家だけではなく、広く企業人一般にとって分かり易い。「広報活動は、企業や組織の側にも社会や市民の側にも、双方に利益をもたらすものでなければならない」という文章に著者の基本的な考え方が読み取れる。広報の業務特性として経営機能の役割が述べられているが、クライシスが起きた時の企業の対応の違いが平時の広報に対する考え方にあるという著者の経験に基づく主張には共感するものがあった。また広報を法律上の観点からのみではなく、企業の本来の責任を果たすというアカウンタビリティーの観点から企業人の倫理観についても言及し、その上で読者と同じ目線にたって自分自身の倫理観を問いただしている。メガ企業が莫大な費用を広報にかける中、その質が問われる時代だということを明確に感じさせてくれる。