前作「磯野家の相続」も読んだが、磯野家の登場人物のエピソードでわかりやすく説明するコンセプトはそのまま継承している。
ただ単に「父」を「波平」に、「母」を「フネ」にと置き換えた文章ではなく、実際にサザエさんの設定を利用して話を展開している。
たとえば磯野家の家の土地が波平の所有地であるという設定から、裏のおじいちゃんから土地を借りていた場合や、ノリスケに貸していた場合に展開することで、不動産評価額が変化する説明。
カツオたちが独立し一軒家からマンションに引っ越したなどのストーリーが書かれていて、読み物として面白く、文章もよく練られている。
磯野家の設定だけではなく、実際の土地の評価も参考にされており、実務書として十分に読みごたえがある。
前作「磯野家の相続」もわかりやすかったが、「磯野家の相続税」は税金という数字の話を、ここまでハードルを下げた点で出色である。