磯崎さんの本、久しぶりに読みました。
僕が大学生の時、建築に惹かれたのが、磯崎さんの初期四部作、「空間へ」(1971年)、「建築の解体」(1975年、「建築の修辞」、「手法が」(ともに1979年)に触れたのがきっかけでした。
磯崎さんの新刊を読みながら、そのころのわくわくした気持ちが、心の奥から沸いてきました。
この新刊は、ヨーロッパ、特にイタリア中心の話題ですが、15世紀から19世紀までは各世紀ひとつずつ、20世紀は20年にひとつずつ建築や美術の動向を大きく左右したトピックスをとり上げ、その発生や波及効果について、新進気鋭の女性のキュレーターの方と1対1での対談を繰り広げています。
そして、磯崎さんが「あとがき」で記している、深い言葉。
「進むべき道はない。だが進まなければならない」…タルコフスキーの言葉だそうです。
版元であるTOTO出版の20周年記念こ講演会でもこの言葉に触れて、ベルリンの壁の崩壊、オウム、阪神淡路などが起こり、建築の前衛というものに閉塞感を感じていた1990年あたりの磯崎さん世代の気分を象徴している言葉だとお話されていました。
話題満載、磯崎さんご自身のこれまでの歩みの解き明かしのようでもありますが
一貫しているのは、「建築」とはその時代時代の文化状況との対話/闘争である
ということだと思います。
時代を超える想像力、といった言葉が浮かびました。
前に進みたいのだが、振り返らざるを得ないものがある…歴史の重力からの離脱へのあくなき挑戦!