【擾乱の海】シリーズでは、超常現象を持ち出して、ある意味『新境地』を開拓した筆者ですが、
このシリーズでは、逆に、佐藤大輔氏風の『大規模な戦略史改変』に挑戦し始めたようです。
IF戦記の中でも、対極的な史観を改変してみる試みとして、WW1後に南洋諸島を列強の干渉で
手中にできなかった日本が、英国と米国の諸島進出と、豪州での独立運動勃発、という目まぐる
しい状況変化の中で、どう動いていくのか?という命題に取り組んでいく。その中で、筆者の
大好物の『艦隊決戦』を主体に描かれていくようですが、なにか、レッドサン・ブラッククロス
的な既視感がぬぐえません。
それと、満州国建国に当たっての若干の記述はあるものの、大陸での日中戦争の状況が明らかに
されていない点で、『八八艦隊』に匹敵するような海軍力を備えた日本が、国力の主眼をどこに
おいて物語を回していくのか? という疑問がどうしても出てきます。帝国陸軍の動向に関して
は、今後どう落とし所をつけるのか。記述そのものは、『フランシス・ドレーク』級戦艦等の
登場もあって、勢いがあって面白いのですが。
【擾乱の海】シリーズも放置状態で新シリーズを始めた筆者の心境は、模索の境地なのかもしれ
ません。あくまでWW2+海戦にこだわるのも、そろそろ読者離れを起こしそうで、思い切った
方針転換もあって良いとも思うのですが…