非常に緻密で良くできた物語の展開に読み応えがある作品となっています。
深夜のコンビニ強盗事件、その夜に起きたある轢き逃げ事件、いずれも別々に起こった事件で何の繋がりもなさそうなところから、物語は意外な展開で進んでいきます。
轢き逃げ事件から結びついた記憶喪失の女性と銀行員・南雲の同棲生活の中で、この物語の鍵を握る展開が繰り広げられます。
この辺りの過程は森村氏得意のストーリー立てで読者に興味を抱かせます。単なる刑事物の推理小説ではありません。
やがて、犯人らの順送りされた殺人とこの書の題名に掲げられた十字架の意味が分かってきますが、最後の最後「入れ替わった過去」でとんでもないことに・・・。
この最後に書かれている事で、この作品の善し悪しが読者の方にどのように感じられるでしょうかね。私はこの意外な結末に???が頭に浮かびました。