著者の中山さんは、元スイング・ジャーナルの編集長。ジャズ以外にも、ビートルズ、B・ディランに関する著作が有ります。中山さんは、前書きでジャズの入門書は役に立たない。なぜなら入門後に読まなければ理解できないから、そして、以前のように初級→中級→上級へと進む人が少なくなっているのは、このような人達の為のもう一つの入門書ないからだと述べています。
そのような考え方で、出来るだけ三大レーベル以外物で、誰もが知っているような名盤は外し、今聴いても刺激的でワクワクする物だけを厳選したと述べています。従って中級、或いは初級上級者向け(LP,CDで千枚以上?の所有者)の選択となっています。
この本は、こう云う人向けに書かれている訳ですが、こう云う人達は、もう既に自分の好みのプレイヤー、音楽が存在していて、ここに掲載されている盤を総て集めよう、聴いてみようと考えている人はいないと思いますし、また、それを実行するのは愚の骨頂だと思います。そして、著者の選択もかなり偏向していて、少し特殊かなと思われる物も少なく有りません(例えば私は、デイブ・ブルーベックが好きで、ソフトを数十枚持っていますが、記載された物は持っていません。)また、ジャズとロック、ファンク・ミュージックとの境界領域の音楽が好みの様で、その類の選曲が多いように思います。しかし、ゲイリー・マクファーランドについての記載は気になり、デイスコグラフィーを調べたところ、過去にバター・スコッチ・ラム等を聴いていた事が解りました。しかし、ジャズとして聴いていた訳ではありません。その他、スタン・ケントン、サン・ラに関しての記載は非常に参考になりました。しかし、S・ケントン、白いサン・ラ説は著者のオリジナルではないようです。
中級者以上向けの案内書ですから、通読し、自分にとって興味の有りそうな物、面白そうな物を選択する一助とすれば良いのではないでしょうか!!