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破綻した神キリスト
 
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破綻した神キリスト [単行本]

バート・D. アーマン , Bart D. Ehrman , 松田 和也
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,310 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

聖書研究の世界的権威が、神への信仰を捨て去るに至った思索と苦悩をつづる、衝撃のノンフィクション。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

アーマン,バート・D.
ノース・キャロライナ大学教授兼宗教学部長。新約聖書・原始キリスト教史・イエス伝等の研究の第一人者

松田 和也
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 338ページ
  • 出版社: 柏書房 (2008/04)
  • ISBN-10: 476013333X
  • ISBN-13: 978-4760133338
  • 発売日: 2008/04
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 無覚 トップ500レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
神はいない、という話ではなくて、いるかどうか分からないし、いたとしても愛したり、崇拝するに値しない、という主張。(207頁「恐れる必要はあるだろう。だが、褒め称える必要は断じてないのだ。」)
それだけのことで、正直、こんなに分厚い本にする必要は無いのだが、聖書学者なので、旧約・新約に幅広く言及し、神を崇拝する理由がどこにも見当たらない、と述べていく。(長さの割りに読みやすく面白い。)

しかし、世界の不幸に徹底的に苦悩する著者の心のありようが、人間の自由意志だけでなく、なんらかの普遍的な、善なるものの存在をイメージさせもするのだけれど。

なお、前著『捏造された聖書』(原題Misquoting Jesus)と同様に、訳書のタイトルは煽情的過ぎます。(原題はGod's problem)
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17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Fagen
形式:単行本
最初に断っておくけれど、この本は、著者が直接標記の問いに答えるものではない。著者は新約聖書学の世界では著名な研究者で、この問いに聖書がどう答えているのかを見ながら、神と世界と苦しみの関係を探っていく。これは著者が言及しているように、ライプニッツが提示した「神義論」的問題であり、数百年の議論を経ても尚、我々を納得させる解は見つかっていない。著者は聖書の各文書の歴史に沿って、旧約時代の古典的神義論、預言的神義論、そして新約時代の黙示文学的神義論を、実際に人の世に存在した艱難辛苦をつきつけながら咀嚼していく。そして、著者は『コヘレトの言葉』のような諦観に至るのだ――「私の目に映るこの世界のありようは、世界に対する神の介入がないという事実を示している」(pp.28)。
僕はカトリックだけど、遠藤周作が『沈黙』で提示した「母なる神」を受容する立場をとっている。しかし、著者がイメージする神(これは「聖書が示す神」に出来るだけ忠実であろうとした結果なのだけど)はそんな妥協を許さない:「苦しむ私の傍らに立っている、だが実際にはほとんど何もできない神を信ずるというのは、神をまるで私の母か、親切な隣人のような存在に貶めてしまう行為だ。真に神を<strong>神</strong>たらしめる行為ではない。」(pp.322)。人はこんなに苦しんでいるのに、神はなぜ沈黙を保つのか、神はその強大にして正義たる力をなぜ行使しないのか……この問いが、敬虔な福音派の信者にして、聖書の無謬性を示すために聖書学研究者を志した著者の行き着いたところである。この問いを、我々は蔑ろにすることはできないのだ。
この本は(邦題がイマイチなので)キリスト者が敬遠しそうな体裁であるけれど、キリスト者であるならば、是非御一読いただきたい。そうでない方にとっても、この本はキリスト教を知る上で大きな助けになると思う……苦しみの救済はキリスト教の一大トピックなので。
このレビューは参考になりましたか?
15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
著者はN.カロライナ大学宗教学部長。若年より熱心なキリスト教徒で、聖書のより深い研究を目指しプリンストン神学校に進学、B.メツガーの下で新約ギリシャ語写本・本文批評学に打ち込む。学問的に研究すれば、聖書は聖霊に満ちた「神のことば」ではなく、「人間が書いた文書」であることに立ち至る。「神のみことば」として盲信する立場から解き放たれた研究者も、その後の信仰の道は多様だ。師のメツガーの場合、「聖書研究は信仰を弱めたのではないか?」と問うL.ストロベル記者に、「研究は私の信仰を育ててくれた。今は自信を持って、イエスに揺るぎない信頼を持っている」と答えている。(ストロベル「ナザレのイエスは神の子か?」)

しかし、著者はこの世の悲惨、人間の苦しみはなぜなのか、津波、ハリケーン、飢餓、戦争、マラリア、AIDSで命を奪われる人々は神の教えに背いたからなのか、神が情け深く全能ならば、旧約時代ユダヤの民をたびたび奇跡的に救出したように、なぜこの世に介入し救おうとしないのか、なぜ神は黙っているのか、を問い、聖書が記す神による救済思想を検討していく。が神への信仰にもかかわらず国を失い、苛烈なローマの圧政に喘ぐ旧約末期のユダヤ人としては、究極のところ、「この苦難はやがて終わる、終末の時が来て神の国が到来する」という黙示思想に期待を寄せるしかなかったのではあるまいか。イエスもパウロもその時が近い或いは到来しつつあると思っていた。

二千年たった今も、聖書がいう「最後の時」はこの世に現れていない。人類は相変わらず戦争を繰り返し、ジェノサイド、病、貧困、天災で苦しんでいる。神は存在しないとは言えぬが無力だというのが著者の見解で、神への信仰を捨てる。聖書学の権威の発言だけに論議を呼ぶだろう。本書をどう読むかは読者の問題だが、納得するところが多かった。古代宗教思想で、現代の諸問題は解き明かせぬということだろう。
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