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破産しない国イタリア (平凡社新書)
 
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破産しない国イタリア (平凡社新書) [新書]

内田 洋子
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

日経ビジネス

若い頃、外国の新聞雑誌や書物の翻訳をやらされていたことがあった。もう40年近い昔のことである。

その頃、英国はまさに大廈の崩れる様を見るようで、それを支える一木は見いだせないように思った。英国病とまで言われた時代である。ところが、その後サッチャー首相という鉄の柱がみごとに国を支えて、国運回復に向かったから立派である。

一方で、イタリアを見ていると、国家というものはどんなことをしていてもそう簡単にはつぶれるものではないという感を強くしたものだった。とにかく国家の要である首相はめまぐるしく交代し、さっぱり安定しない。たしか中央銀行が保有している金を質に入れてドイツから借金をしたことがあったが、当時の私にはこれはもうめちゃくちゃな話に思えた。それでもイタリアはしれっとして発展を続け、ひと頃は1人当たり国内総生産(GDP)で英国を追い越したりした。

『破産しない国イタリア』を書店で見つけたときすぐに買ってみた。イタリアという国に対する私の長年の疑問に、ずばり答えてくれそうなタイトルに惹かれたのである。

内容も私の期待に応えるものであった。「この本に登場するエピソードは、すべて実在の人物と実際にあった出来事をもとにまとめた」ものであると筆者は書いているが、もしこの断り書きがなければにわかに事実とは信じ難いものが含まれているところがイタリアなのであろう。

毎週1度、公務員である夫のオフィスに立ち寄り、夫に対する付け届けを買い物かごに入れて持ち帰る妻、1998年の某日白内障の手術を受けた8人のうち4人が感染症で失明した公立総合病院、誘拐を生業とし株式会社誘拐集団と呼ばれる組織の存在、保険金目当てで毎年約20万件の虚偽の自動車事故報告が行われることなどなど、通常の日本人には想像の範囲を超える。

コネ社会ぶりもすごい。就職から入院から何から何までコネがものをいうようだ。もちろん社会的批判はあるし、コネ利用にはしかるべき「御礼」も伴うのだが、社会の潤滑油として受け入れられているのだろう。よくよく考えてみれば、アングロサクソンのいうネットワークというものだって、コネと紙一重だから、どこでも似たことはあるのだろうが。

それでもイタリア人はそんな社会を逞しく生き抜いていく。一人ひとりが生き抜く芸に優れているのだ。それがイタリアの活力の源泉となっている。イタリアの中小企業が強い理由がよく分かるような気がした。


(日経ビジネス2000/1/31号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)

出版社/著者からの内容紹介

政治の腐敗、モラルの低下、貧困と差別、頻発する犯罪。こんなに“とんでもない”国がなぜこんなに元気なのか? 不滅の国に生きる人々の姿を、親愛と皮肉を交えて綴る。

登録情報

  • 新書: 220ページ
  • 出版社: 平凡社 (1999/11)
  • ISBN-10: 458285026X
  • ISBN-13: 978-4582850260
  • 発売日: 1999/11
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:新書
具体的な数字を列挙して、何故イタリアは破産しないのかという理由を説明するのではなく、イタリア人はこんな国民だけどなぜか破産しないんです、ということを著者の実体験に基づく?ショート・ストーリー仕立てで紹介した作品。単にイタリアの国民性を紹介しただけといってもいいくらいである。しかも、著者の文章も明らかに笑いを狙った軽いものだ。

硬い文章や内容だけを新書に求めている訳でもなく、軽い文章だから新書としてダメという訳でもないが、これは読み物として楽しむべきなのだろうと思う。

あまりにも数字が出てこないのでタイトルと内容が一致しないような気もするが、数字という結果を生み出すのは国民である以上、その国民性を理解しないことには始まらないと考えてみれば、このタイトルでもいいような気もする。

最後まで楽しめたのだが、なんとなく読み終わってしまったというなんとも捉えどころのない一冊だった。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 実在のモデルをショートストーリー仕立てで

イタリアの実像にせまる画期的な新書。

「誘拐株式会社」「渡る世間はコネばかり」はなかなか興味深い。

私は、近未来の日本は本書のような国になるのではないかと思う。

イタリアでは狡猾であることが正直より美徳とされている。

かつての常識、道徳観が崩壊した我が国はイタリアのように

狡猾であることを開き直り、経済的成長を断念し

文化的成長に重点をおくべきではないだろうか。

本書は日本の未来を考える上でも大変興味深い一冊である。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
真実を知る! 2003/7/25
形式:新書
イタリアは料理もおいしくて、芸術の国であり、ファッションも先端を行くおしゃれな街・・・というイメージを見事に覆してくれました。
イタリアへの単なる憧れのようなものはなくなりましたが、イタリア人の強さみたいなものを感じ、イタリアという国に対してまた別の興味を抱くようになりました。
イタリアに興味のある人も、そうでない人もぜひご一読を。
このレビューは参考になりましたか?
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タイトルがちょっと・・・
実話をもとに書かれた極端な短編集と思えば、
それはそれで読み物としてそれなりに楽しめるのですが、... 続きを読む
投稿日: 6か月前 投稿者: solatia
内容は良いと思いますが、タイトルには…
13章構成になっていて、日本人からみて、トンデモなイタリア(人)の実状が各章で紹介されています、中でも特徴的だったのは下記。... 続きを読む
投稿日: 10か月前 投稿者: sia0123
今読んでも参考になる
イタリア社会の側面を13章で紹介している。それぞれの章は独立した、事実をもとにしたフィクションとなっていて、読みやすい。そのへんのちんけな小説よりおもしろいと思う... 続きを読む
投稿日: 2009/1/4 投稿者: 唐沢 大
イタリア万歳!すっごく笑える、でもコワーイ
以前村上春樹氏の「遠い太鼓」で読んだイタリアの話は底抜けに面白かった。... 続きを読む
投稿日: 2008/6/12 投稿者: オールドトム
イタリアは予想以上に興味深い!
... 続きを読む
投稿日: 2005/12/4 投稿者: jinya
あのイタリア人め
イタリアに初めて行った。なんでこんなにスリが多いのか、何もせずボーッと道でダベってる人が多いのか。この本を読んでその謎が解けた。知りたい人はぜひ読んで欲しい。続きを読む
投稿日: 2005/8/30 投稿者: サルヲ
日本に生まれた幸福を実感できるかも。
日本人が知らない、イタリアの抱える数々の
問題をストーリー仕立てで紹介した一冊。
私は常々、イタリアという国は、我々日本人には... 続きを読む
投稿日: 2002/7/29 投稿者: 不動通り。
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