舞台はいまのこの国にあってもおかしくない架空のある町。
主人公(集団)は「ダメなほうのトクソウ」警察内部にできた架空の組織。
章ごとに、ひとつずつ丁寧に描かれる事件のほとんどは、わたしたちが日頃ニュースで目にしては「ああ、また……」とため息をついてしまうあの手のものたち。虐待や、性犯罪など、弱いものは自分の感情の赴くままに餌食にしてしまってかまわないと考える(あるいは開きなおった)ひとたちを起因とする、悲しくも愚かしくおそろしいあの手の犯罪たちだ。
加害者と被害者と捜査するものが絡み合い、ひとつひとつの事件はしかるべきところにおさまっていくが、その都度、禍根が残り、謎が深まっていく。
どうやら、それには、ひとを確実に狂わせるある装置がかかわっているらしい。
牧野さんのいつもの世界同様、デンパなひと、正義のひと、老人、家族や家庭を失くしたひと(ホームレス)、やたら強くて美しい女性、などがあまた登場し、活躍する。だれは信じてよくて、だれはだめなのか、最後の最後までわからない。が……一見「ふつう」で小市民的にマジメなひとたちがいちばんコワイ、かもしれない。
『破壊』を読みおわるころにはまちがいなく加速度がついてページをめくりまくっているにちがいないので、『再生の箱』と二冊セットでお求めになることをおすすめする。