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そぎ落とさせ、人質に電話係・見張り係・答弁係・食料運搬係
と役割を与え規則違反即射殺という掟でその場を牛耳る。
梅川の過去や動機、事件の時代背景や取り巻く条件を今の時代
に語ってもそれはそれ、これはこれで片づけられるのかもしれない。
しかし事件の架橋、あらゆる手段が通用せず母親の電話にも
応対しない犯人、梅川に母が捜査員数十人の見守る中震えながら
書き出したたった133文字の手紙。
作品中では1ページしか割いていない点だが自分が犯人なら
この直筆の手紙が一番こたえると思う。香川から大阪まで
ヘリで移動させられテレビ中継されカタカナとひらがなの
使い分けもよく分からない母親がどんな思いで手紙を書いたか
は当の梅川が1番知っていたことだろう。
新堂「銀行籠城」のベース本といっていいだろう。
事実に対して星をつけるのもどうかと思いましたが毎日新聞
記者のがんばりに星4つです。
本書には、この事件の犯人によって苦しんだ多くの人々が紹介されている。
・少年期に起こした事件の被害者、その家族。
・少年法という壁のために苦渋の判決を出さざるを得なかった裁判官。
・生まれ故郷の市長、教師。
・本書の事件の被害者、人質、その家族。
更生という名の下に厳罰を適用しない少年法。しかしこの少年は何も変わらなかった。
ただ法律の手続きのままに社会に戻ってしまった。これだけの悪事を働いても、生きて生活を楽しんでいる。
その姿を読むにつけ、果たして法律とは、更生とは何なのだろうと強く思った。
やりきれなさ、その言葉を最後まで感じずにいられなかった。
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