サウスウエスト航空が成功した要因には、まず、飛行時間1時間程度の短距離路線というニッチ市場だけを狙い、コストを徹底的に削減して最大の利益を実現したことがあげられる。さらに、徹底した情報伝達で会社についての正確で十分な情報を与え、従業員が自信をもって顧客に適切な対応ができるように利益分配制度を採用することで、従業員ひとりひとりが経営者の立場で行動している。また、従業員とその家族を会社という大家族の一員とすることで、人間関係を強固にしている、といったそれまでのアメリカ企業の常識を破るような「破天荒な基本戦略」でビジネスの基本を変えたことにある。そして何よりも、創業者の一人であるハーブ・ケレハーという常識にとらわれない優れたリーダーの存在が不可欠だったのである。
トム・ピーターズの序文が、本書の魅力と意義を伝えてくれている。「今年はビジネス書を1冊しか読むひまがないという人には、ぜひ本書を推薦したい」。(坂井 誠)
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サウスウエスト航空の従業員は、「良識」に基づいた実践をすれば、会社は必ず支援してくれるということを知っているという。この「良識」の定義は難しいが、CEOのコリーン・バレットはこのような例を挙げる:定時運行を決意し、どんなことがあっても飛行機を止めないと宣言した場合。搭乗口のドアをさっさと閉めることは結構だが、こちらに向かってくる車椅子の乗客をロビーで4時間待たせるのは良識とは言えない」と。 実際、本書で紹介されている実例には、従業員が自分の判断で、敢えて規則を破りながらも全体のロスを抑えようとするチームワークが何件も書かれている。
サウスウエスト航空の低運賃のおかげで、顧客は夢にも思わなかったことを実現できた。デトロイト在住の医学生が毎週シカゴ大の講義に出席できたり(しかも講義時間に合わせてダイヤを変えたという)、離婚した親が子どもに会えたり、必要な治療を受けられるようになったり、家族連れの休暇旅行が可能になったり…。 サウスウエスト航空の成功とは、自社の提供するサービスによって、どこまで他者(=顧客)を幸せにできるか、だ。自分が気にかけられている、幸せであると感じられるからこそ、従業員は自分の判断と良識を持って行動することができる。
とても読みやすい本でもある。お勧めしたい。
破天荒なサービスと徹底的なローコストで業界の常識を覆すサウスウエスト航空の経営を詳細に渡って分析。
とっぴな発想の源泉は、極めて重要な「従業員主義」なのではないか、と読み進めていくうちに考えてくる。
「従業員が一番で顧客は二の次」という発想はなかなか出てくるものではないが、経営資源の中で従業員をどのように捉えるかで、その発想は確かに生きてくるのでは。パーティーの企画やエンターテイメントの提案などは、まさに「従業員が活き活きと働くための演出」。
非常に苦しい局面をスタッフの力で乗り切ってきた、という確信をCEOが持って居なければ、なかなかできることではない。
特に中小企業の場合は、従業員の力が非常に大きなファクターを占めるので、破天荒ではあるが、スタンダードな分析をしているこの書籍は、ある程度の参考にはなるのではないだろうか。「従業員を動かす」ためのアイデアが詰まっている。
欲を言えば、全体としてまとまりに欠ける構成だった点が残念。随所に「お客さまの声」的なコラムが入ってくるが、章立てでまとめても良かったのでは。
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