2003年3月、日本でも世界でも「開戦を食い止めよう」と大きな波が起きていたのに、
結局アメリカやイギリス等がイラクに対して攻撃を始めてしまった。
あのイラク戦争から8年。そういえばイラクはその後どうなったのだろう、と時々思い出して
気になってはいたのだが、新聞やインターネットにも大きく載らないし、日々の生活に流されて、
つい、なんとかなっているのだろうと勝手に思い、正直なところほとんど忘れていた。
ところが違った。一般的にイラク戦争は2003年5月に終結した、と報道されたものの、
アメリカ軍を中心とする多国籍軍が治安維持の名目で居座り続け、誤射なのか故意なのか、
女性や子どもを含む一般人を殺害したり拷問したり、せっかくの選挙も投票に行けないような
状況が続いていた。それまでになかったイスラム教の宗派ごとの対立まで引き起こされ、
暗殺や誘拐も起きて、危険なので自分の家を離れて国内外に避難せざるを得なくなってしまった。
そのなかで、必死に治安回復へ向けてがんばっているイラクの人たちと、
こつこつと支援を続ける日本のボランティアの人たち。
この本は、ちょっと複雑な今のイラクについて、章ごとにいろんな角度から解説してくれている。
活字が大きめで、現地の深刻な被害や、支援活動の様子がよくわかる写真も多数掲載されていて
見応えがあった。また、ソフトカバーなので軽くて持ち易いのも良いと思う。
イギリスではイラク戦争を検証する公的な機関を立ち上げて、あの戦争はどうして始まって
しまったのか、どこがどう正しくて、間違っていたのか、という議論がされているという。
イラクはもちろん、アメリカやイギリス等の人の命も沢山奪い、各国の国民から徴収された税金も
とんでもないほど注ぎ込まれている。同じ過ちを繰り返さない為にも、日本でも検証をするべきだろう。