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最も参考になったカスタマーレビュー
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本軍機が戦後たどった運命を写真と解説文で綴った貴重な記録,
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レビュー対象商品: 破壊された日本軍機―TAIU(米航空技術情報部隊)の記録・写真集 (単行本)
松本零士の戦場漫画を読んだことのある方は、その中にプロペラが外されスクラップとなった日本軍機や米軍のマークをつけた日本軍機を見て、複雑な感情を呼び起こされた経験はないだろうか?この本には、そのような「見るものに訴える」日本軍機の写真が数多く出てくる。これら占領軍兵士が個人的に撮影した写真や米国立公文書館所蔵の写真には、終戦直後の日本陸海軍のありとあらゆる種類の航空機の姿が写されている。その中には、まるで壊れたプラモデルのように横たわる零戦や一式陸攻など戦中の主力機だった機体の他に、ダイナマイトで解体されつつある爆撃機深山や、製造途中で放棄され中島飛行機の格納庫にたたずむ無塗装の橘花など、当時の最新鋭機の姿も見える。また、航空基地の空中写真や、米国への輸送のために機体が並んだ追浜基地など、飛行機だけでなくその背景の写真も興味深い。 日本で撮られた写真の他に、米国に送られた後ほとんど有効利用されることなく朽ち果てていく日本軍機の写真もあり、博物館の予算不足や専門家の知識不足によって貴重な機体がスクラップにされた経緯とともに紹介されている。また、戦後中国やタイでそれぞれの国籍マークをつけて運用された日本軍機の写真も載っている。 翻訳文が読みづらい部分があり、誤記もあるが、この本の資料としての価値は全く失せていない。むしろ、現存する日本軍機に関する巻末資料について、原書が出てから10年間の変化を調査し更新・追記した翻訳者の役割は大きい。原書が絶版となった今、この本の持つ資料的価値は非常に大きいはずである。 この本の写真と文章から、米軍の上陸を阻止するべく特攻機として複葉機まで温存していたこと、絶望的な状況の中でも航空機の開発が進められていたこと、また日本兵が占領軍の日本軍機収集に全く従順に協力したことなどをうかがい知ることができ、様々なことを考えさせられる本でもある。
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