本書は、入試で求められる研究計画書について、「研究」や「計画」に関する基本的な考え方から実際の書き方に至るまでを、いままで計画書を書いたことがない人、特に社会人の大学院志望者に向けて、わかりやすく解説したものである。
大学卒業後、企業勤務を経て英国の大学院で博士課程を修了し、現在は慶應義塾大学大学院教授である著者は、自身の経験から、社会人が大学院を目指す場合の受験者の立場、また入試を行う立場の両方を知っており、読者としては心強い。
本書の特徴の第1は、タイトルにあるように「書き方のハウツー」ではなく「研究についての考え方」を重視した点にある。この点が明確になっていない計画書は、しょせん底が浅いものになるだろう。第2の特徴は計画書作成の過程を重視していることにある。研究計画を練る中で、自分自身の思考や志向などについて思いめぐらすことも含め、作成それ自体を学ぶ場としてとらえているのである。この点は、しばらく大学を離れていた社会人にはリハビリにも、またこれからの研究生活の準備にもなりうるだろう。
さらに本書には、実際の研究計画書をサンプルとしてそれに対する筆者の詳しいコメントがつけられた事例が28件掲載されている。
本書は、月刊「Executive」誌に不定期に連載されたものをもとに大幅加筆したものだが、連載時の読者には大学院在籍中の学生が多数いたのも特徴といえる。大学院入学後の研究計画にも役立つし、研究機関や企業における計画書や企画書づくりにも参考になる部分があるようだ。(佐伯秀子)
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54 人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
研究するとは何か,
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レビュー対象商品: 研究計画書の考え方―大学院を目指す人のために (DIAMOND EXECUTIVE DATA BOOK) (単行本)
本書の内容は研究とは何かという「考え方」であり、漠然と大学院を受験しようと考えている大学生にとっては良書といえよう。本当に学生のことを考えて大学院を薦めてくれる大学教授はそれほど多くはないはず。苦労して大学教員になられた人ほど正直に学生に再考を促す傾向がある。妹尾もその一人であるようだ。なかなか良い指導教官(メンター)を見つけることはできない。よって本書の「考え方」は厳しいが、「親切」なのである。大学院に入る前に是非一読されれば、その後の多忙な授業や課題の中で自分を見失わなうことはないはずである。大学院生でつまづいている方も本書でもう一度、客観的に自分の研究を見直すことができるはずだ。
42 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
研究計画書を書くにあたって必携の一冊!!!,
By カスタマー
レビュー対象商品: 研究計画書の考え方―大学院を目指す人のために (DIAMOND EXECUTIVE DATA BOOK) (単行本)
大学院進学の際、初めて書く研究計画書の作成に行き詰まった。事前に下書きしてあった私のあやふやな計画書は、この本との出会いで即座に研究計画書ではなくなった。そもそも研究計画書とは、一体何なのか?そしてそこで伝えるべき大切なこととは?これらを、主に文系大学院の研究計画書の例を扱い、述べるべきエッセンスの抽出法と共に具体的に述べてある。理系の学生でも大いに満足できる内容であった。「研究計画書を書く」というプロセスを通して、研究というものへの心意気や研究そのものの意義についても考えさせられた。よくよく読むことで、「研究計画を考える」という作業にとどまらず、様々な物事への論理的な考え方までもをも教えてくれる非常に有意義な一冊であった。
49 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大学院志望者必携の1冊,
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レビュー対象商品: 研究計画書の考え方―大学院を目指す人のために (DIAMOND EXECUTIVE DATA BOOK) (単行本)
研究計画書は,多くの大学院入試でいちばんの勝負どころとなるが,きちんと書き方を指南してくれる本はあまりなかった。この本は大学院における研究とはなにか,という基本的なところから始めて,実例も豊富に挙げながら解説してくれる。入試の時だけでなく,その後の研究にも役立つ1冊と言えるだろう。
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