主人公・山田なぎさは母子家庭で兄は引きこもり。
中学校を卒業したら、自衛隊に入隊して「実弾」を手に入れたいと願う。
一方、転校生の海野藻屑は、父はアイドル歌手の上、家はお金持ち。
「僕は人魚なんだ」と言い張る藻屑が、なぎさには空想世界でぽこぽこと砂糖菓子の弾丸を撃っているようにしか見えない。
けれど、藻屑のほうがなぎさよりもずっとシビアーな現実を生きていた。
この少女二人の対比が本当にすごいです。どちらの痛みも理解できます。
また主役二人だけでなく、脇役の存在感も深いです。
個人的には、なぎさたちの担任が印象的でした。
桜庭一樹さんはすごく懐の広い方なのだろうなあと思いました。
表紙のイラストで手に取るのを一瞬躊躇ってしまいそうですが、
読みおわったあとで再び見返すと、
まるで砂糖菓子にまみれたようなこの甘いイラストも、物語の演出の一つのように思えてぐっときました。