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58 人中、49人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
暗くて苦しい少女達の青春。,
By あさ☆あさ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet (単行本)
海辺の町に生きる、どこにでもいるけど少し不幸な女子中学生・山田なぎさは、自分を人魚だと名乗る転校生・海野藻屑により、いままでの生活が狂わされた。家族のため、兄のために、生きるための実弾を欲しがっていたなぎさと、砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる藻屑の奇妙な友情を描く青春暗黒物語。この文庫は最初富士見ミステリー文庫出だされたそうで、ゆるやかなロングセラーにより、新書になって再出版された。 私はこの本で初めて読んだので、これが挿絵付きのライトノベルで出版されていたというのは不思議な感じがした。万人向けではないかもしれない独特な雰囲気を持っていたから。 タイトルからしてそうだけど、言葉の使い方が絶妙で、この人の文章センスが好きだった。 そして物語は冒頭から、ラストがどうなるのかはっきり示されていた。 そう、読み始めた瞬間、残酷な結果を提示される。 でも、そうならないで欲しい。そんな気持ちで読み進められるほど、痛々しくて切なくて、そしてちょっぴり息苦しい物語。 実弾を求める少女。砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる転校生。貴族の兄。 みんな生きるために、自分を守る膜を張っていた。それは誰かのために働くことであったし、嘘で身を守ることでもあったし、自分の世界に閉じこもることでもあった。 痛々しくたたきのめされながらも、現実は死んじゃった子と生き残った子の2種類しかいない。 儚さと無力さを見せつけられる様なお話でした。 良質なラノベは退屈な文学を上回るのだ、と証明している一冊だと思います。普段ラノベを読まない方にも、お薦めです。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
桜庭ワールドの原点,
By シャカリキけー助 (東京都) - レビューをすべて見る という順番で読みました。 よりライトノベルへ向かう方向となった為、 エキセントリックなキャラクタの立ち居振る舞いに、ちょっと違和感ありましたが、 桜庭さんが描く、美少女、美少年、相対する普通の人、地方都市、親子愛、 というモチーフは顕在。というか、元々お得意だったのね。 鳥取の片田舎の中学校に、東京から美少女で芸能人の娘、藻屑が転校してくる。 美し過ぎて完全に浮いてしまう存在の藻屑は、 唯一感心を示してこないクラスメイト、なぎさに興味を持つ。 主人公であるなぎさは、現実的で確実な力を持つ『お金』つまり実弾が欲しい。 藻屑はその実弾を持っているのに、砂糖菓子の弾のような、夢想的で妄想的な言動ばかり。。 しかし、藻屑の抱える家族問題が、甘ったるい物語を一気にシメていきます。 登場人物は、ライトノベルっぽく、変人とそれに振り回される主人公という感じで、ベタ。 しかしライトノベルという枠の中でも、 作家特有の残酷な描写や、ねじ曲がっているけど濃く強い愛が、 平然と、唐突に放り込まれています。 このアンバランスな内容でも、すんなりと読ませるテンポは、なんなんでしょう。 藻屑が血の繋がる父に求めた愛情は、結局得られません。 この矛盾に自らが壊ずに耐える為の武装が、砂糖菓子だった。 それを知った、なぎさは大人になることを決心します。 少女の成長物語ですが、とても悲しい物語。 とはいえ、私の男なんかと比べると、訴求力はやっぱり落ちるので星2つ。 とにかく後の作品と繋がる、プロローグのような本でした。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
子どものこころのリアリティ,
By りりあん "ぶるー" (東京) - レビューをすべて見る 藻屑の皮膚の下にある痛み。 なぎさが実弾を欲しがる叫び。 貴族の兄から抜け出た薄もや。 ほんの少しだけ出てくる大人の現実。 桜庭さんの小説は初めて読みましたが、 惹かれて捉えられるというのでしょうか。 気がつけば世界に入り込んでいて切なかったです。
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