地中海と白い砂浜。
豊かな木陰をつくるナツメヤシ。
青く広がる空。
果てしなくオレンジ色の砂丘が連なる砂漠。
風が刻んだ風紋。
砂漠に迫る夕闇。
写真集としてみられる作品が並ぶ。
風景だけではない。
砂漠で出会った、トビネズミ、トカゲの足跡などにも目は向けられている。
文章には、旅人として自らの身で感じた自然の過酷さが綴られていた。
厳しい環境であるからこそ、そこに住む人々の苦労を共感でき、自分たち旅人への優しさも分かるのだろう。
砂漠に住む遊牧民は、あてにしていた井戸がなくなっていたときでも、お茶で迎えてくれる、とあった。自分たちの水がないのにもかかわらず、ということだ。
そして、
後半には、NGOで滞在したときの経験、人々の生活に直に触れてきた経験からみえてくる、旅人=客としてではない見方での現実がある。こちらも厳しい。
人為的要因による砂漠の拡大。
行き届いていない医療事情。
現地人の自力を促すための支援活動。
単なる旅行記ではない。「生きること」を見直さなければならないと感じさせられる。