第二次世界大戦に関するお奨め小説を挙げるとすれば、今まではアリステア・マクリーンの[女王陛下のユリシーズ号]、そしてD・L・ロビンズの「鼠たちの戦争」の2冊であった。 しかしこれからは本書である「砂漠の狐を狩れ」も必ず挙げるであろう。
題名のとおり、砂漠の狐と呼ばれたロンメル将軍を暗殺しようとする英軍特殊部隊の話であるが、砂漠という極限の環境の中での物語が淡々と描かれている。 主人公及びその親友以外は、殆どが実在の人物であり、また主人公が所属していたT3隊以外は、やはり実在の部隊である。 間違った軍事用語を使った小説、又は間違った翻訳の戦争小説ほど私を白けさせるものは無いが、本書は完璧と言える。 また砂漠の戦いに必要な装備が細かく描かれており、これも軍事物好きの人には堪らないであろう。
砂漠についてのロマンチシズムと、そして騎士道精神を堪能できる、文句なしに五星の評価が出来る秀逸な戦争小説である。