「家族小説」なんて数多くあるけど、これは一味違った。
単なるエンタメ小説には落ち着かず、かといって説教くさくもない。
読みだすとページをめくる手は止まらなくなる上、本を閉じると色々考えさせられる。
「家族とは何か」という問いの答えが、小難しい言葉で語られるのではなく、
あくまで家族同士の会話の中に存在しているのがいい。
処女作「ひゃくはち」はストレートな青春エンタメ小説、二作目「スリーピングブッダ」は人が生きる意味を考えさせてくれたが若干難しい。
「砂上のファンファーレ」は前二作のいい部分を混ぜてさらに練り上げたような作品で、エンタメ要素は失わせないまま
時代性・社会性が取り入れられていて、著者の円熟味が増してきた気がする。
次回作も楽しみ。