登録情報
|
一方、文明とは何か。普遍的なものであり、非常に使いやすいものだという。それゆえにグローバルに浸透していく。普遍的なゆえに必ず滅びていく、つまり新たな普遍的なものに取って代わられるということになる。全く同感である。
著者の教養がにじみ出ている書であり、特に泥の文明の記述は、さらに詳細に知りたいという欲求を生じさせる。編集者がインドへ旅立ってしまったのも、さもありなんと思う。
あと一つ知りたいのはアメリカとヨーロッパの関係である。単純に石の文明がアメリカに持ち込まれ、外へ進出する力がアメリカで働きつづけているとすると、今のヨーロッパは過去から変化しているようにも見える。また、本当にアメリカは石の文明が移植されたものなのか、アメリカという土壌を得て別の文明と考えるべきではなのか。検証してみたい事柄である。
石はヨーロッパに代表されるような、表土が薄く畑作をしようにも、すぐに岩盤に当たってしまう土地に栄えた文明。そういう地では農業の生産性は上がらないために、放牧や、それに手を加えるために自然科学や、輸送などの技術が進んだ。
泥の文明というのは、日本を始めとするインド、中国などの東アジアで、水田や、湿地、雨林などが多く、恵みを与えてくれる天を神とみなし、共同体的作業や技術革新といったことが得意である。
うまくまとめています。これまで読んだいろいろな文明論をすっきり整理できたような気がします。日本人論も納得です。ただし、系統だった専門的論文ではなく、どちらかというとエッセーのようなものです。その分読みやすくなっています。
しかし独自の論旨は明快であり、目から鱗が落ちる思いの読者も多いはずだ。欧米文明のアンティテーゼとしてガンジーの思想に著者が寄せる期待も示唆に富む。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|