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砂の女 (新潮文庫)
 
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砂の女 (新潮文庫) [文庫]

安部 公房
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (104件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第14回(1962年) 讀賣文学賞小説賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。

登録情報

  • 文庫: 276ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (2003/03)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 410112115X
  • ISBN-13: 978-4101121154
  • 発売日: 2003/03
  • 商品の寸法: 15 x 10.7 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (104件のカスタマーレビュー)
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39 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「砂の女」を含む安部公房氏の作品群の中で良く取り上げられる状況設定が、言うまでもなく「不条理」である。今の今まで「常識」、「当たり前」と思っていた「生活していく上での前提条件」が、ある些細な出来事から崩壊し、自分が主体的に生活をコントロールしていた筈が、逆に生活から従属的にコントロールされる側に転落し、その状況を主人公(人間)がどう受け入れ、克服していくか、、、今までの生活の「何気なさ」、違和感無く口を広げている「不条理」への入り口、誰にでも起こりえると感じさせる「不気味さ」、この点が他の作家の作品にはない、氏の作品独特の醍醐味であると感じている。
さて「砂の女」であるが、本作は「不条理な出来事」が切っ掛けで、「今までの価値観ではあり得ない状態」に追い込まれる処までは他の安部作品と同様のテーマ、展開であるが、そこから主人公がその状況を受け入れ、「今までの価値観の上に構築された生活」を捨て、「不条理な条件の上に成り立っている現状と共に生きていくために必要な条件」が記載されている点が他の作品と比べて知的に抜きん出ていると思う。
力で強制されたただけでは、人間は慣れ親しんだ価値観を捨てることはできないこと、一度は脱出の「希望」を持ち、それが失敗することで「絶望」を経験し、それでも脱出の希望を伺いつつ生活していくのであるが、彼の地で「生甲斐」を発見したとき、主人公が「その生活と共に生きていく決意」を固める、、、見方を変えると人間の価値観を丸ごと取り替えるために必要十分な状況設定とプロセスが記載されていると読むこともでき、その点で、恐ろしい小説であるとも言える。
世界二十数カ国語に翻訳された云々の謳い文句を気にする必要はありませんが、その事実は文化的背景に関係なく普遍的に万民を考えさせる内容を本作品が備えていることを示していると思います。
未読の方は是非、お試しになることをお勧め致します。
このレビューは参考になりましたか?
49 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
自分がこれまで読んだ本の中でもっともおもしろかったと言って過言がないほど圧倒的な迫力、緻密な知識、構成が絶妙なバランスをもって重畳的に織り込まれている作品。

サスペンスとしても楽しめるし、現代社会に対してありもしない希望と自由の幻想の上で成り立っているものと批判する寓意的小説として読んでも優れていると思う。砂に囲まれた家での思い通りにならない生活と望めば何でも手に入るように見える現代社会・・・優劣はどちらだ・・と・・

砂が絡み付いてくるようで、読んでる途中に何度もシャワーを浴びたくなる描写にも嫌悪感を感じながらも引き込まれていきます。
読んで損は全くなし。

このレビューは参考になりましたか?
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
おすすめ 2007/11/16
私にとって安部公房は、「名前だけは聞いた事がある」程度の作家でした。
こちらで評判が良いので読んでみたところ、ぶっとびました!

言葉をこんなにも操れる人がいるなんて…。

ストーリーももちろん奇想天外なスチュエーションと展開と結末で面白いのですが
登場人物の心情や、砂の中に埋もれた村や家の様子。
平坦で易しい文章ではないのに、とても分かりやすい。
それは文章に臨場感があるからだと思います。
臨場感がありすぎて、自分まで口や体が砂っぽくなって来ます(笑)

この作品は映画化されたそうですが、私はあまり観たくありません。
安部公房の作品は、行間から各読者の想像を膨らますというよりも
行間を与えることなくストレートに映像が入ってくる感じがします。
映像よりも映像っぽい文章に映画化は要らないのでは…と思うのです。

あらすじは他の方が書いておられるのでその方を参考になさってください。
私はとにかく文章に注目して読んで欲しいです。
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