映画が名作であることはネット上にも数多くの文章で確認できるので、ここでは仕様と画質について。
まず自分が持っている比較対象は、2005年リマスター以前にリリースされたDVDです。
2005年のリマスターは将来のHD化を見越して行われたりストアで、これまでもDVDとHDDVDの2つが出ています。
今回Blu-ray版ではじめてこのリマスタリングの成果を確認しましたが、残念ながら、同時期の洋画に比べてあまりレベルの高いものとは感じられませんでした。
この時期の邦画によくあるようなリマスタリングで、とにかくHDらしい細密感に欠けています。一見しただけではDVDと区別が付きません。
たしかに景色などのディテイルは少し細かくなっているし、アップショットの肌の質感なども少し情報が増えているのですが、輪郭のシャープさが無いのです。
もちろん過剰な輪郭強調の弊害を思うと、これはこれでひとつの選択であろうとは思うのですが、HD化に際して多くの人が期待するのはやはり細密な高解像画質であろうと思います。そこを期待すると拍子抜けしてしまうかもしれません。
旧マスターと明確に違うのは色味です。淡くグレイっぽい色調だったのが、全体にかなり濃く鮮やかな色に変わっています。
クライマックス辺りの風景などはなかなか綺麗です。しかし赤みの強い肌色などを見ると、作品の時代性にふさわしいアナクロさといえなくもありませんが、やや過剰という気もしてしまいます。
その他について言えば、全体にノイズは少なく、グレインも目立ちません。フレームのがたつきや明滅も気になりません。
フィルムライクでソフトな画調に好みが分かれるところですが、DVDより高品位であるのは間違いなく、ある程度の割り切りさえあれば安心して楽しめるソフトということは言えそうです。
あと特典映像は予告のみで、少し物足らないところです。さらなる仕様の向上を願いつつ、★4つの評価にしておきます。