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何より優れているのは、医学的、科学的な論文資料が豊富に添えられていることですが、さらに、出版者の方の努力もあって、息を飲むようなドキュメンタリーに仕上がっています。被告の会社側の主張を、穏やかに、しかし科学的に正確に論破した、ニューヨーク在住の病理学者への尋問場面は、圧巻です。
Webで拝見すると、最近でも、日本石綿協会は、「クリソタイルは他のアスベストより安全」と思っておられるようですが、この病理学者の証言から見ると、クリソタイルこそ、悪性中皮腫を一番起こしやすいタイプのアスベストであり、これがまだ大量に使用された建物が多数存在している我が国の現状は、とても恐ろしいと思います。
患者の数が少ないため、石綿肺や、悪性中皮腫の治療方法を確立するための予算も出ないようですし、また、医者にかかっても、殆どの医師が診たこともない病気であるため、正確に診断されることが難しいようですが、数年前まで、「どんな治療をしても、何も治療をしなかった患者群と、治癒率に差がない」と言われていた悪性中皮腫も、アメリカなどでは少しずつ有望な治療方法が見つかりつつあります。今後、日本でも患者が増加すると思われる、アスベスト由来の恐ろしい病気を克服するためにも、専門家、特に医学部の学生の方々には、全員、読んで頂きたい本だと思います。
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