著者は朝日新聞の中東特派員、のち中東史の研究者となった人物。
本書は、クウェートの歴史を通観したもの。とはいえ、中心となっているのは19世紀から20世紀にかけて。イギリスの支配から、石油の発見、周囲のアラブ諸部族との抗争、建国、近代国家の建設が語られている。
事実をひとつずつ追っていくタイプの歴史書であり、詳しく知りたい人にはおすすめ。しかし、無味乾燥な記述に負けてしまう人も少なくないだろう。
どちらかというと、イギリスやアメリカの支配・影響ではなく、アラブの内発的な政治・国造りにポイントをおいた立場を取っている。
1965年に出たものであり、その後の歴史、なかでも湾岸戦争が扱われていないのが、(仕方ないとはいえ)現代の読者にとっては不満の残る点か。