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19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
発想は至極真っ当、しかし結論は至って斬新,
By カスタマー
レビュー対象商品: 石橋湛山と小国主義 (岩波ブックレット (No.510)) (単行本)
湛山は小国主義という言葉を用い、近代化を遂げた国家が当然のステップの様に進む軍国主義・拡張主義を牽制し、民族自決・相互尊重による地域平和を提案した。また大正デモクラシー末期の政治的混乱に対しては、民衆の暴動は意見を述べる機会と機関が具わっていないために他ならないと断じた。これらの言葉は現代になって古びるばかりかますますリアリティの度を増してゆく。未来志向・大躍進・国民の真の歴史と響きだけは勇ましいスローガンが喧しく跋扈する現状にあって、敗北でも卑屈でも超俗でもない、実利ある道義の道を示していた湛山翁の言葉はいよいよ重みを増してゆく。中学・高校の歴史のテキストとしても読まれるべき一冊である。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本軍国主義に公然と反抗し続けた自由主義者の評伝,
By 丘八 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 石橋湛山と小国主義 (岩波ブックレット (No.510)) (単行本)
大正10年から昭和20年まで日本軍国主義に公然と反対しつづけた石橋湛山。その最初の10年ぐらいとその思想を簡単にまとめた岩波ブックレットの一冊。著者は最初に国民に定着している吉田松陰像をひっくり返す。松陰は伊藤博文など多くの明治の元勲を教育した指導者という考えが広く国民に信じられている。しかし、松陰の幽囚録(手記)が師の佐久間象山にひそかに届けられたとき、象山はその末尾に朱筆を入れて、そんな考えはやめろ、と忠告して返したという。(その返信を松陰が読んだかどうかは分かっていない)。著者の井出孫六は幽囚録を読んで愕然とした。松陰はカムチャッカから台湾、ルソン(フィリッピン)満州までを手に入れようと述べている。そして黒船の衝撃からわずか50年にして松陰の描いた誇大妄想的青写真は彼の弟子たちにより現実のものとなりつつあった。日本人の多くが松陰の妄想に酔いしれていたとき、湛山は四半世紀にわたり、それに反抗しつづけていた。このブックレットはその有様を見事に描ききっている。
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