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石榴ノ蠅 ─ 居眠り磐音江戸双紙 27 (双葉文庫)
 
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石榴ノ蠅 ─ 居眠り磐音江戸双紙 27 (双葉文庫) [文庫]

佐伯 泰英
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

蟋蟀の鳴き声が初秋を告げる頃、出羽山形を発った佐々木磐音と吉原会所の若い衆は、日光道中の帰路を急いでいた。江戸を目前にした千住掃部宿で、磐音はお家騒動の諍いにより窮地に陥った若侍を助けるのだが…。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、著者渾身の書き下ろし痛快長編時代小説第二十七弾。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐伯 泰英
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』以後、スペインをテーマにした作品を発表。99年、初の時代小説『密命』を皮切りに次々と作品を刊行、時代小説の旗手として高い評価を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 353ページ
  • 出版社: 双葉社 (2008/9/11)
  • ISBN-10: 4575663441
  • ISBN-13: 978-4575663440
  • 発売日: 2008/9/11
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By 樽井 トップ500レビュアー
形式:文庫
 居眠り磐音シリーズの最新刊です。
 蛇足ながら、NHKドラマで山本耕司さんが主演されている「陽炎の辻」の原作です。
 さて。
 今作のあらすじは、再び次期公方様の徳川家基がおしのびで江戸の城下に出たいというのを磐音たちが助力し実現する話を軸に、佐々木道場の成長株のでぶ軍鶏こと利次郎の成長、旧友の竹村武佐衛門の行く末などを描いています。全体的には全巻が冒険活劇だったのに対して、今回は緩やかな大河ドラマの群像劇という面が強くなっていました。
 自分が興味を惹かれたのは、竹村武佐衛門の行く末。三羽がらすのようにしていた品川柳次郎が着実に自分の家の基盤を固めているのに対して、子だくさんで大酒飲みで家計が苦しいのにケガをしてしまって力仕事ができなくなった武佐衛門。彼が武士を捨てるかどうかという局面にまでたたされた(今回結論は暗示でしかでませんでしたが)状況をどうしていくのか。
 個人的には、いくら内職や力仕事をしていても武士は武士で、武士を捨てるということはあまり現実的でないかと思っていましたが、当時では武士の株ごと捨てたり富裕な町民と縁組みすることで形式的には武士のままだが実は士分を捨ててしまう侍もいたようですし、このあたりを著者がどういう風に物語していくのか興味深いです。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By OMI
形式:文庫
 前回の「紅花の邨」の物語はインターバルだったのでしょうか竹村武佐衛門の行く末、霧子の行く末 一太郎の恋(?)源太郎の養子縁組、物語の始まりがちりばめられています、品川柳次郎も佐々木磐音も落ち着き始めた今、物語の展開は家基元暗殺 田沼失脚と進む中で新たな展開を見せてくれそうです。
 ここ、1、2回を経て大きな展開が予想される物語の始まりのような気がします。
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By striker
形式:文庫
 豊後関前藩での磐音の戦いはあくまでも藩の存亡をかけての戦いであり,小林奈緒はその被害者に過ぎなかった。磐音は(となれば当然のことながら作者も)奈緒のためではなく国のためだけに戦ったことに納得していなかったのではないだろうか? 前作「紅花の邨」では紅花の咲く夏の山形藩を舞台に豊後関前の時と同じようなお家騒動が繰り広げられる。しかしその戦いは豊後関前の時と形は似てはいるが全く対照的であり,奈緒の幸せを得るためだけの止むを得ない戦いとして描かれているのだろう。実際作者は前作220頁で磐音に「今また同じような悲しみが奈緒どのの身に振りかかっているのであれば,それがしの豊後関前での決着の付け方が曖昧であったということにございましょう」と言わせている。
 そう考えてみるとおこんが磐音を送り出したのも,奈緒のための磐音の戦いが終わらなければ自分たちの仲は完全なものにはならない,という設定によるものかもしれない。しかしシリーズの形式が重んじられる一方で感覚的に相容れない部分があるのも確かで,特に本作「石榴の蠅」ではそれが著しい。奈緒が磐音に顔を合わさず逃げたのは(奈緒のための戦いが終わりそれぞれが持つ愛の道に進むのではなく)奈緒が磐音を思い切っていないこと(40頁),(おそらく)奈緒が送った蝋燭の明かりの下で紅をさしたおこんと夜を過ごす(44頁)など,読み手がなんとか納得しようとしても違和感を覚える描写も多い。
 とはいえ,わたしもなんだかんだと書いたが期待しているのはマンネリとなっても構わないし,話が大きくならなくても結構であるから,地に足をつけた主人公たちが苦労しながらも市井に生きる丁寧に描かれた時代劇である。そのためにも作者におかれては批判・要望に過度に付き合わず好きな小説を自分の好きなように書かれる事を切望している。
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