帯で「反パチンコ論を主張するのなら、本書の内容ぐらい勉強しておけ」的な、反パチンコ派を挑発するような文言を並べているが、反パチンコ派の大半は、この濃さにはついてこれないのではないか?
…いや別に、反パチンコ派を揶揄しているわけではない。本書が濃すぎるが故に、アンチ側(業界を知らない人間)に伝わりにくい、というのが本書の最大の欠点だということだ。「図」「用語集」「索引」「年表」などを多用して、中高生にでも解るような構成を目指すべきだったのではないかと個人的には考える。なので★を1つ減じて、★は4つ。
内容については、「パチンコがなくなる日」に続く、筆者によるぱちんこ業界本の第2弾。大震災直後の石原慎太郎発言「パチンコと自動販売機」その背景を読み解けるようになっている、それが本書の第一主題。風評を恐れるが故に、いち早く節電に協力し、どの業界よりも義援金を多く拠出している、一種「歪んだ」業界の内実がよく解る。
第二主題は、ぱちんこ業界と政治家…殊に元警察官僚・平沢勝栄…石原慎太郎よりも平沢の方を掘り下げて書いてあるような気もするがwまあ彼の功罪こそが今の「歪んだ」業界を作り出したのだから、叩くにせよ擁護するにせよ、議論の基礎知識として知っておかなければならないだろう。そこで生まれたぱちんこ業界のシステムこそが、反対派・擁護派の議論によって「正されなければならない」ものなのだから。
最終章の、若宮健氏の著作に対する反論については、これを展開して1冊にしてもよかったのではないかとすら思う。ただし、若宮氏の著作は突っ込みどころ満載なので、あまり細かく反論するのは可哀想だったりする…それよりむしろ、若宮氏の誤りを知りながら、それらを恣意的に利用している小坂英二荒川区議あたりをメインの俎上に上げるべきだったのではないか。そうすれば(まあ石原・平沢よりは遙かに格下ではあるが)パチンコvs政治家という軸で本書を貫けて、美しかったのでは。