精神を病んだ父から解放され、自由に、幸せになるはずだった姉、ダイアナ。
しかしその息子、ジェイソンの死をきっかけに、悲劇が幕を開ける。
そして、すべてが終わってしまった今、刑事の取調べを受けつつ、デイヴィッドは家系に
流れる忌まわしい血について、静かに回想を始める…。
クック作品は、ある意味極めてパターン化、マンネリ化しており、本作も例外ではない。
1.主人公が過去の悲劇を回想する語り口(1人称形式が多い)
2.主人公は悲劇に対して何かしらの責め負っている(多くの場合それが小説のオチとなっている)。
3.殆どの場合、親兄弟等家族をめぐる悲劇である。
4.悲劇の発端からエピソードが順々に語られるので、結局どんな悲劇が起こったのか、
真相は何だったのかは最後まで解からない(思わせぶりで、じりじりする展開と筆致)。
等々である。
しかし、私にとっては癖になる、心を揺さぶる何かを持っている。
それは彼の描く、(善意から出た)人間の愚かさ、浅はかさや、それが招く取り返しの
つかない悲劇が、普遍性を持っているからだと思う。