阿部昭『短編小説礼讃』(岩波新書)を時々、読み返します。
この本は、わたくしが社会人2年生の夏に出版されました。
ジェットコースターのような社会人1年目を過ごし、
少し、精神的に落ち着いた頃、手にしました。
気づいたらその本は、どこかに迷子になってしまいました。
しばらく品切れが続いていて、やっと復刊されたとき、
今度は迷子になってもいいように、まとめて3冊、買いました。
復刊時、帯に脚本家の山田太一さんが、
推薦の言葉を書いています。
たまたま、買った直後に、
山田さんと仕事の打ち合わせがあって、
そのとき余談で、「3冊、買いました」と、言ったら、
山田さんはすかさず、
「あの本は3冊、買う価値がありますね」と、
おっしゃいました。
短編小説が好きだけど、何を読んでいけばよいのか、わからない
という人に、
信頼できる案内役になってくれます。
わたくしは、自分が書いているものが、「大丈夫かな」と不安なとき、
この本を読み返します。
読むたびに、もっとがんばろう、と奮い立ちます。
短いお話が好きな人、実際に書いている人に、元気をくれる本です。