新田次郎「まぼろしの軍師」は、武田信玄を支えた軍師とされる勘助が、実は大ぼら吹きで「あちこちの戦場を渡り歩いて、才能を売り込もうとしていた」と描く。勘助の息子の鉄以は、父の事跡を訪ね、諸国行脚の旅に出る中でその事実を知るが、父親への思いを加えてフィクションに近い歴史書を完成させる。この歴史書によって、勘助の名は不動のものになったというストーリーに仕立てている。
史実にフィクションを織り交ぜながら、様々な人物像を描き出す歴史小説の醍醐味が味わえる。
(日経ビジネス 2007/02/05 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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