最終章ではアンジェスMGで問題になった「未公開株譲渡問題」を取り上げている。著者の主張は、これが「問題」になってしまうこと自体が、「知財立国・日本」への壁なのだという点につきる。
(日経バイオビジネス 2005/01/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
小泉政権が「知財立国」を標榜し、知財戦略が企業の収益に決定的な影響を及ぼすようになった今、我々の普段の生活も知的財産と切り離して考えることは難しくなっています。こうした現実を踏まえ、この本では日本の知財政策の問題点、世界各国の知財政策、専門人材や裁判制度などの知財インフラの現状、知財関連の主な法律などを出来るだけコンパクトに解説し、「知財の現状は、とりあえずこれ一冊読めば分かる」ことを目指して、編集に工夫を施しました。知財本の決定版だと自負しております。
特に力を入れたのは、「闘争の現場」を描くことです。日米の対立を生んだ遺伝子産業スパイ事件、企業と従業員の関係を根本的に問うた青色発光ダイオード裁判、中国のニセモノ商品作りと日本企業の対応、医療の進歩と開業医の利害が対立する医療技術特許、権利保護のあり方が議論を呼んでいるネット上の音楽などの違法コピー問題、漫画喫茶やレンタル・ブック店の存在……。こうした対立の現場には一筋縄ではいかない問題が先鋭的に現われており、知財の今後を考える上で格好のテキストを提供しているからです。
筆者の三宅伸吾氏は、一貫して知財分野の取材を手がけてきたジャーナリストです。企業経営、司法、競争政策、自民党など関連分野の取材経験も豊富で、現在は日経新聞の編集委員(政治部兼生活経済部)として活躍中です。
『知財戦争』は知財の持つ意味を多面的に探った、これまでに類のない一冊です。ぜひご一読ください。
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