「知識の殿堂」として、かつて存在していたといわれている古代エジプトにあったアレクサンドリア図書館とはどんな図書館だったのか? 世界最古の歴史的図書館が建設されたのは紀元前三世紀頃。アレクサンダー大王の新都市建設の命によって造られたものだ。蔵書数は50万冊。詩人テオクリトス、医学者ヘロフィロス、天文学者のアリスタルコスとアポロニウス、大天才アルキメデス、科学者エラトステネス、幾何学者ヘロン、初期キリスト教教父アレクサンドリアのクレメンスらを輩出し、数学、天文学、物理学、医学、工学、宗教、哲学などの学問が開花して、近代科学の基盤をつくるきっかけともなった。ところが、度重なる戦乱に巻き込まれ、貴重な書物もろとも図書館は火災に見舞われ、すべて消失してしま??たのだ。本書は「知識の灯台」として意図された大図書館が歴史的終焉を迎えるまでの、傑出した学者たちの伝記をもとにその悲劇の全内容が興味深く語られていく。文化の荷い手である図書館に火をつけたのはいったいだれだったのか? 異文化や異質な思想を忌み嫌う偏狭な精神をもつ人物たちがその主犯だったのか? 西洋文明のルーツ、知識の源泉を本書で今一度たどりたい。