簡単に要約すると
近年知識量は膨大に増えている為、さまざまな問題があるが
特に知識の再利用の課題が大きい。
特定の目的に必要な知識は、分野全体のごく一部なので、
必要な知識を選んで、それらを構造化する事によって、
特定の問題に効率よく対応する事が出来る。
効率よく利用するためには以下の7つのポイントがある。
可視;処理過程と処理結果の可視化
部品:知識システムをモジュール設計すること
俯瞰:全体像と部分像を適切に表す事
その際、それぞれに実体、モデルによる表現の両方がある。
連想、ある知識から、別の知識に辿りつけるか
関連:知識のネットワーク(関連)を表現出来ているか
創造;検索分析から新しいシナリオの創造が出来るか
支援:個人別に異なる目的と観点で利用できるか
本著では、これらの評価軸を基に、花王、トヨタ、NECなど、
さまざまな企業の取り組みを分析している。
概ねのシステムで評価が良くないのが、連想、創造、支援あたりである。
この点に関して問題提起が、本書の言いたいところの根幹であろう。
全体を通して、左右見開きの構成となっており、
左側はエッセイ調。右側に理屈という構成となっている。
(しかし、ところどころに左右の関連が不明なページもある(^-^; )
なお、本著は構成を理解することが難しく、読み物としてはハードルがいささか高い。
私の勝手な解釈であるが、学者向けに構成されているのではないでしょうか?
一般人向けに、噛み砕いた内容で再構成すれば、
より多くのビジネスマン、経営者、マネージャが読まれるべき書籍になるのではないでしょうか。
いずれにせよ、知識の構造化に関して、多くの内容が盛り込まれている事は確かです。
【個人的な学びメモ】
・専門領域と日常生活の境界線は消えつつある。<2000年問題
・知識の供給側は細分化しようとするが、需要側は融合された知識を要求する。
⇒よって、知識提供の際には、DBからプラットフォームという形で再構成する事に意味がある。
・知識の生成プロセルを「特殊化」と「一般化」の二つが存在し、
優秀な研究開発者は、この2つの使い分けが上手い。
・知識の進化は、「関連付けによる緩慢な増大」と、
「イノベーションによる急峻な増大」(いわゆるブレークスルー)を繰り返す。
・知識の構造化を「構造化知識、人、IT及びこれらの相乗効果によって、
知識の増大化に対応可能な、すぐれた知識を構築すること」と定義する。
・物事の理解には受け手側の「体験」と「想像力」が必要。
・目的に応じて、知識を適切に表現できる人は、
聞き手の知識との関連付けや、俯瞰像に関連付けて説明できている。
・再利用されない知識は知識とは言えない。
・知識システムの構築にあたっては、知識の再利用の度に付加価値をどのように産むかが最大の課題。
・知識の構造化は、細部から始めずに、まず共通で中立的な知識ネットワークを作るのが良い。