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知識の哲学 (哲学教科書シリーズ)
 
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知識の哲学 (哲学教科書シリーズ) [単行本(ソフトカバー)]

戸田山 和久
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

知識を獲得するとは、科学を営むとは、いかなる「現象」なのか。正当化は知識に必要なのか。認知活動の目的は真理に至ることなのか。古典的な「知識の哲学」を解体し、自然現象としての知識を捉える新たな認識論のパラダイムを構築する、意欲的・個性的な教科書。

内容(「BOOK」データベースより)

これまでの知識の哲学を解体し、自然現象としての知識を捉える新たな認識論のパラダイムを構築する、ユニークな教科書。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 272ページ
  • 出版社: 産業図書 (2002/6/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4782802080
  • ISBN-13: 978-4782802083
  • 発売日: 2002/6/20
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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66 人中、55人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
 哲学の伝統的な二大カテゴリー、形而上学(存在論)と認識論(知識論)。本書はその内の後者についての「教科書」です。と言っても、教科書なるものの多くがそうであるように、ただ単にそのテーマをめぐる伝統的な議論がそつなく紹介されているといった類の、毒にも薬にもならないような本ではありません。でもだからと言って、著者個人の思い入れたっぷりの議論がチマチマ綴られているだけの、ちと薬が効き過ぎる(?)本というわけでもまたないんです。その辺のバランスが実に絶妙です。つまり本書では、著者自身のあるプロジェクトを提案することを目的とした論述が為されており、それは同時に、認識論が伝統的に何を、なぜ、どのように論じて来たのかに関する詳細な紹介ともなっているのです。

この著者のプロジェクトとは、ズバリ「認識論を壊す」こと。つまり本書は、認識論の教科書のくせに(?!)伝統的な認識論をボコボコにするという、不届千万かつ痛快無比な本なんです。が、やはりそれだけでは建設的じゃありません。著者はちゃんと、認識論を新たに作り直すという試みにまで踏み込んでいます。むしろ、実はそれこそが最終的に目指されていることなんです。著者は知識に関する伝統的な問い方をいわば逆転させた上で、まず第一に認識論の自然化を、その上さらに社会化をも目指すことを提案します。そうした知識観に基づく「新たな認識論」は、もはや狭い意味での「哲学」にとどまらない学際的な様相を呈してきて圧巻です。

 最後に、教育的配慮が十分に行き届いている本書は、認識論のみならず哲学という分野全般における今後のあり方に対しても具体的な問題と示唆とを提起するという建設的な面をも持ち合わせている点で、実に斬新な「教科書」だと言えると思います。

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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
哲学の一分野である認識論の入門書。

基本的な専門用語をひとつひとつ説明してゆくところから始まり、
当該分野における主張の歴史的展開をあくまで批判的に読み解いていくため、
予備知識のない素人でも核心に迫ってゆくことのできる好著。
初心者・門外漢としての引け目やストレスを感じさせることなく、
読者の気付かぬうちに本格的な議論へと引き込んでゆく自然な流れは見事である。
ただし、本気で考える意欲が必要であることは言うまでもない。

本文で触れた用語には必ず翻訳元にあたる英語を付し、
巻末の文献一覧にも英語文献を豊富に紹介しているため、
これから真面目に認識論を勉強してみようとする読者には心強い。
まさに入門書の鑑と言ってよかろう。

哲学的思考の雰囲気を掴むことができるため、
認識論にとどまらず、哲学への入門書として一般人に最適である。
このレビューは参考になりましたか?
26 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
 伝統的な認識論(知識の哲学)は紀元前4世紀から2300年間にわたり,知識を「正当化された真なる信念」として捉えてきた。そして正当化の根拠について,探求してきた。
 或る信念は,その信念が得られる元となる信念から推論によって導出されるとすれば,どこかまでも遡ることによって,もはや正当化される必要のない不可謬の基礎的な信念に行きつけるのだろうか。不可謬が無理でも,せめてかなり確実な信念に行きつけるのだろうか。もし基礎的な信念が無理なら,これに代えて直感やセンスデータでもって基礎づけられないか。これも無理なら,外界との関係性,あるい信念導出のプロセスの信頼性でもって,信念を基礎づけられないか。

 著者は片っ端からだめ出しをしていく。信念がなんらかの正当性の根拠によって知識に格上げされねばならないという固定観念を批判する。

 信念を基礎づけによって正当化することを放棄することは,自然科学を哲学的認識論で根拠づけることの放棄となる。むしろ認識論は自然科学の一部として,われわれが実際にどのように信念に達しているか,脳科学,認知科学,生物学,心理学の成果を活用して,考えるべきである。この現実を認めず,伝統的認識論に固執するのは,怠け者の哲学者である。

 ところで,そもそも「真理」や「信念」とは認識論にとって大切なものか。もし真なる信念の形成が生物の生存にとって最適な戦略ではないなら(そしてないらしい),認識論の前提自体があやしい。真理や信念に関わる必要はない
のではないか。ということは,「心」なんて問題ではない。

 そこで,新しいこれからの認識論は,真理や信念を問題とせず,プラグマティックに,しかも自然科学の一部として学際的になされるべきである。

 認識論の伝統からの脱却は,心からの脱却らしい。唯物論者や人間機械論者にとってはそれでもよいだろうけれど,なんか悲しいお話だった。

 
 

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