大学生のための入門書である。大学時代にこの本に出会っていたら、と思うのだが、大学時代にこの本に出会ったとして、私はそれを有効に消化できただろうか、とも思う。私は理学部に在籍していながら、「実証すること・証明すること・検証すること」を学ばずに「信仰するか疑うか」の二項対立でしか物事を考えられなかったことを思い出し、心から恥ずかしく思った。私は、黒板に先生が何も書かなければ何もノートに書かない、ノートのとれない学生だった。メモ書き程度のノートに試験前に何度慌てたことだろう。本書にはノートをとることの大切さも書かれている。私は大学時代、そんなことを教わらなかったし、教わらないでも「自ら考えて行動する」のが今考えれば当然だったのであるが・・。大学で何を学ぶか、それは「自分の頭で考えることだ」としばしば言われる。社会人になって「自分の頭で考えろ」、とか「頭を使えよ」と言われることほど恐ろしいことはない。大学生でいる時が19歳から22歳というのは私にとっては幼すぎたと思い、その後社会人学生として学んだのである。
難しいことよりも「私って本当にわかってしゃべってるのかなあ」という素朴な疑問の中に大事な問題の核があったのだ。その疑問をこれからはきちんとノートに書き留めながら考え続けたいとこの本を読んで思った次第である。