著者は、技術経営(MOT)などの分野で有名な大学教授です。この本は、タイトルの通り、「どうやって情報を探し、どうやってそれを血肉にするのか」についての本です。人間の知的活動において「読む」ことは基礎中の基礎ですが、本当に、「自分はできているのか」について改めて考えてみるいい機会になりました。ここでいう「読む」とは、文章に限らず、図表やデータなども含めた幅広い概念です。
まず、情報の読み方には「解読」「解釈」という2段階があります。「解読」とはあるルールによって構成されているデータのルールを見つけること、です。しかし、違うルールがあてはまってしまうとき、そのルールが正しくみえるため、誤読を生じます。「□肉□食」に「弱肉強食」ではなく「焼肉定食」をあてはめるようなものです。「解釈」とは自分なりに主体的に意味付けを行うこと、です。「円高になっている」という情報を「ピンチ」と捉えるか「チャンス」と捉えるか、のようなものです。いわれてみれば無意識的に当たり前の話ですが、こういう知的プロセスを分解して改めて見なおしてみることには意義があると思います。
他にも、統計の基礎くらいは理解しておけ、統計資料からどれだけ「リアリティ」を読み取ることができるか、「リアリティ」とは「半分は感覚に合うが、半分は違和感を感じる(やっぱりそうか、と思いつつ、でもそうかなぁ)」という感覚である、などこれも無意識的ですが、改めて見なおしてみるとおもしろい。
その他、新聞の(うがった)読み方、百科事典の利用方法、ウェブサイトから情報を探す方法、専門知識を身につける方法・・・など、ハウツーではない、どっしりとした基盤を身につける上でとても読みやすい本です。