本当は開高健の文章が大好きである。一時期週刊誌の人生相談や
軽いエッセイばかり書いていて、単行本を出さないので何となく
遠ざかっていたが、こうしてまった量を読むと、改めて開高氏の
驚くべき博識と練られた文章に脱帽する。
本書にかかれた内容は一言で言えば「森羅万象」。全50章から
なるエッセイであるが、性の探求から、ブッダ、アウシュビッツ。
>ワイン、日本酒、香水から、ヒトラーやホー・チミン、はては
アミニズムから潮吹き、薄田泣菫まで、ありとあらゆる人間の営み
を軽妙な、しかし徹底的に練り上げた文章でよませる。
特筆すべきは痴的な部分のいくつかの章で、いってみればパーティ
やパブで小話をして、みんなでほくそえむ類のお話ですが、なか
なか懐が深い話が多い。そして読み終わった後で、「君ももっと
沢山本を読まなあかんで。」と言われている気がする、そんな本
である。