神話の時代から、高麗の最期までの朝鮮史の流れと重要人物をコンパクトにまとめた便利な本で、「知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物」の姉妹編。全体の構成もほぼ同じだが、古代日本に渡来した韓国人の足跡を辿る「古代韓国は日本とも深いつながりがあった」の章が加えられているのがユニーク。
韓流時代劇「朱蒙」や「善徳女王」「大王四神記」等の時代背景をクィックに知るのには適した本である。また、朝鮮半島三国時代末期の激動する国際情勢は、7世紀日本の歴史、特に天智朝の臨戦体制の構築・維持に大きな影響を及ぼしている。その国際関係の推移もコンパクトにまとめられている。
ただ任那日本府に関しては否定説が有力と斬って捨てているが、現在は朝鮮半島南部での前方後円墳の相次ぐ発見という直接証拠や、それこそ広開土王碑の記述等を傍証として、それを日本府と呼ぶかはさておき、倭国が任那地域に一定の権益を有していたことは確実視されている。
また、韓国からの渡来人がもたらした文化的影響は無視できないが、古代の日韓交流に目を向けるなら、古代新羅の基礎は倭人が作ったという伝承(「日韓がタブーにする半島の歴史」に詳しい)にも簡単でいいから触れて欲しかった。
本書は基礎の基礎。古代韓国に関し知識を深めるきっかけとするのが良いだろう。