本を読み終えての感想は一言「え〜っ、ここまで書いていいの? でも、これは素直におもしろい!!」でした。読み進める毎に自らがパキスタンの深奥部に入っていくような感じがして、めずらしく脇目も振らず一気に読み終えてしまいました。まさに、彼の地で実際に永く在住した人間でなければわからない、楽しさ、危険さ、文化や考え方の違いなどが一冊に盛り込まれています。
前半で語られる「日々の生活や食文化」の章で印象的だったのは、現場で測量の手伝いに雇った現地の老人2人の話で、平和ボケした日本人にはおおよそ窺い知れない、誇り高き戦士の姿が目に浮かぶようでした。また、食生活については、特に、「禁酒国家パキスタンでのお酒(特に、その入手方法)」についてのエピソードが秀逸で、おもわず破顔。「人間と言うやつは・・・。」とつぶやいてしまいました。
中盤からは、一般的な情報源からは得られない、もっとディープな世界が語られます。結婚、子供、男女間の問題、犯罪、未だなくならない暗黙の掟など。中でも「パキスタンでの人材マネジメント術」をテーマに語られた項では、実体験で学んだマネジメントの要点が、グローバル化に向かっている日本のビジネスパーソンへの示唆に富んでいます。
後半は、犯罪やテロリズムなど、パキスタンの暗部について触れられており、最後に「日本人パキスタン旅行者(特に女性)への一言!」で締めくくられています。これから「インダス文明やガンダーラ美術」見物などでパキスタンへの旅行を考えられている方にはぜひ一読頂きたい内容です。
最後に、日本人にはなかなか理解が難しいイスラム圏の国々について筆者は「イスラム社会は、未開社会ではない。歴史を見れば、・・・・・・ヨーロッパはイスラムに支配されて、非常に多くのことを学んだ。・・・・・・イスラム教の人びとが誇り高いのは、そのためである。」と述べています。目から鱗が落ちる思い。 非常に納得できる言葉でした。ぜひ、ご一読を!!