劣化ウラン弾の問題は、決して表のメディアでは語られることのないものだが、今日のアメリカを表す意味で非常に重要な問題である。
戦車の装甲を貫く重量、そして戦車の中で超高温で爆発、なかにいる兵隊を炭にしてしまう。さらに、原子力発電で使ったウランの残りカスなので材料もタダ、ということで使う側にとってみればこんなに都合のよい兵器はない。
しかし、原爆を落とされた国、日本のヒロシマで立ち上げられた中国新聞の記者の緻密で、足で集めた記事を読むと、この兵器が放射能を撒き散らすとんでもないシロモノであることがわかる。
核兵器ではなく通常兵器だとつっぱね、核兵器を隠していると言いがかりをつけておいたアメリカがイラクの土地を放射能で汚染する。そんなことが許されていいわけがない。
この本はイラクに取材もしているが、多くは、アメリカ自身の被害の調査であることが興味深い。劣化ウランを作っている製造工場のずさんな管理と住民への被害。そして、愛国心に燃えて中東へ赴いた兵士が自ら劣化ウランの煤により被爆し、その妻や子供たちにも深刻な健康被害が起きる。
さらに驚くのは、なんと日本でも劣化ウランの演習をされたことがあったということだ。