「はじめに」で宣言されているように、おもに西洋の「知識の制度の歴史」が主題。知の制度を、6つの組織にわけて解説しているのが特徴。その6つは、図書館(書者つの誕生から権力者による収集など紀元前3世紀から紀元5世紀)・修道院(写本を維持管理していた100年から1000年)・大学(1100年から1500年)・文字の共和国(印刷技術が登場した1500年から1800年)・専門分野(学会組織が登場した1700年から1900年)・実験室(工業からビッグサイエンスまでの1770年から1970年)。最後に現在のインターネットに触れている。
知は継続して伝えられたわけではなく、宗教や侵略などによって散逸したり、移動したり、衰退して言った様子が面白かった。知と言っても、それは単独で存在するのではなくて、対話や教育という活動があり、あるいは個人が篭って他者と隔絶した中での不活動など、時代や地域による傾向というのがあるように描かれていた。膨大な時間の流れの中を描くのには、やはりページ数が少ないが、俯瞰していくのには便利。著者が利用した参考文献の中には、未訳のものもたくさんあるが、関心を持った部分は、そられを読めばよい。
訳文が少し読みにくかったのが残念。原文も読みにくかったのか、読点が多すぎる。カタカナ表記もケアレスミスがあるようで、特にドイツ語の語のgの扱いが雑。