ただ、教理そのものよりも、むしろ、キリスト教圏の文学や映画などに現れるクリスチャン像を理解することに関心のある方、また、翻訳に関わり、教会用語の特殊さに頭を悩ませたことのある方には、「役立つ」かもしれません。
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実は、日本には、「キリスト教の教義の本質」を解説するような本はいくらでもあるのですが、このように、キリスト教各宗派の違いをチャート式に分類整理した本というのは、(洋書にはありますが)ありそうでなかったので、その意味で、この本は大変な労作なのです。
例えば、bishop という単語を、どの宗派では「司教」と訳し、どの宗派では「主教」と訳すか、などということが、これほど簡単に(かつ正確に)わかる本を、私は他に知りません。
また、日本人は、キリスト教の宗派を(せいぜいカトリックとプロテスタントぐらいで)すべて一括りにして捕らえている人が多く、教義がどうこう言う以前に、そういう無知がキリスト教徒に対して誤解を抱く一因になっています。
したがって、本書は、翻訳者を始めとして、キリスト教を「外側から」学びたい人が最初に読むのに最適の本で、このような本が文庫で手に入るのは、非常にすばらしいことだと思います。
この本はそうしたお悩みを持つ方にお奨めです。メジャー教派からマイナー教派までカタログ的に網羅し、その特徴と差異をわかりやすく整理してくれます。そのかわり宗教的に突っ込んだ話はばっさりカット。あくまで浅く広く表層をなぞるのみ。この割り切り方はとてもすがすがしい。
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