1.目標を定め、2.それを実行し、3.失敗してもあきらめないで続けること、著者の考えでは、これが人生で成功するポイントだそうです。このことを判ってもらいたいために、この本は書かれたそうです。これだけだとよく見かける成功へのハウツー物とあまり違いはありません。しかし本書の特徴は、基本的な確率の考え方から、この成功原則の妥当性を説明しているところです。
最初に、確率が初めての文系の人でも判るように、図を使って丁寧に説明されています。学生時代に習ったことのある人には、確率を復習し頭をリフレッシュするのにも役立ちます。
確率の基本説明に続いて、日常生活で使える確率的な考え方の具体例が挙げられています。次にそれとは逆に、地道な努力をすることを勧める成功原則の実行を妨げ、ひ弱な人間に逃げ道を与える世の妄説が、確率の見方からバッサリ斬られています。一攫千金を夢見るギャンブルの確率的な真実、偶然の奇跡と思い込ませて人をはめる詐偽の確率的解析など常識の思わぬ盲点が、明らかにされていて面白く読めます。
著者の成功原則は、失敗にめげずに、たゆまぬ努力を何度でもすることを読者に呼びかけています。確率への初歩的な啓蒙書としてだけでなく、当たり前な、しかしすごく真面目な生き方の指南書としても読めるようです。