新書サイズでオールカラー。有機化学とその幅広い活用分野について説明している本。絵を多く載せて、なぜ、どうして、というポイントがコンパクトにわかりやすく説明されている。
また本書は、電子コピー、アクリル絵の具、漂白剤、石炭、石油、液晶、洗剤、接着剤、消化剤、といった身の回りの有機化学製品の紹介だけにとどまっていない。例えば、超伝導プラスチック、抗がん剤への利用の可能性、長らく処理方法が無かったPCBの分解方法といった、比較的新しい利用分野についても積極的に紹介している点も特徴だといえる。
もちろん、カップリング反応、電気を通すプラスチックや光るたんぱく質といった、日本人がノーベル賞を取った分野についても、きちんと紹介している。
持ち運びに便利なサイズである上にテーマごとに見開きで読みきりになっているので、通勤電車の中でも乗り換えまでの間に数ページ読むという形で小分けにして読み進めやすい。現代人の生活は有機化学に支えられていると実感すると同時に、さらなる進歩へ夢が広がった。予想よりも面白かった。